平成23年末の税制改正・震災復興税制
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1.法人課税 2.税務手続 3.震災復興特別税 
4.平成23年度税制改正(11月改正法)その他項目


 1.法人課税 

【1. 法人税の実効税率の引下げ】

 法人の実効税率を約5%引き下げる改正が当初予定より1年遅れで実施されます。 対象となるのは地方税を含めた実効税率で(1)国税の法人税を30%から25.5%へと4.5%下げることによる4.18%「4.5%÷(1+事業税率7.56%)」と、(2)地方税の法人住民税率の0.87%「4.5%×住民税率20.7%÷(1+事業税率7.56%)」(東京都の場合)を合わせて5.05%の実効税率の引下げが実現することになります。
 東日本大震災の復興債の償還財源の一部として復興特別法人税が導入されるため、特別法人税がある3年間は法人税率の引下げの効果は2%程度にとどまります。
〈適用関係〉
  平成24年4月1日以後に開始する事業年度の所得に対する法人税に適用されます。


【2. 中小法人等の軽減税率の引下げ】

 中小法人等の年所得800万円以下を対象とする軽減税率はそれぞれ3%引き下げられます。具体的には図表−1のとおりで、中小法人の場合、18%から15%へと3%の引き下げとなります。実効税率と同様、実施が1年遅れたため、復興特別法人税と同時期の適用となり、引下げの効果は1.5%にとどまります。
〈適用関係〉
  平成24年4月1日から平成27年3月31日までの間に開始する各事業年度に適用されます。


法人税の税率の一覧表
(注1)中小法人には、一般社団法人等及び人格のない社団等を含む。
(注2)「現行」欄のカッコ内は、租税特別措置法により平成21年4月1日から平成24年3月31日までの間に終了する事業年度に適用される。
(注3)「改正後」欄のカッコ内は租税特別措置法により平成24年4月1日から平成27年3月31日までの間に開始する事業年度に適用される。


      
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【3. 復興特別法人税の創設】

 復興特別法人税は、各事業年度の所得に対する法人税の額を課税標準として、その課税標準法人税額に10%の税率を掛けます。10%の上乗せをする付加税の仕組みが採られます。
  中小法人であれば、1)年所得800万円以下に対する法人税の額と、2)年所得が800万円を超える場合にはその超える所得に対する法人税の額のそれぞれに10%の税率を掛けます。 具体的には、1)は15%に下がる軽減税率が16.5%(0.15×1.10)となり、2)は25.5%に下がる法人税率が28.05%(0.255×1.10)にアップすることになります。
〈適用関係〉
  平成24年4月1日から平成27年3月31日までの期間内に最初に開始する事業年度開始の日から同日以後3年を経過する日までの期間内の日が属する事業年度に適用されます。

税率の引下げと復興特別税の関係


【4. 減価償却の見直し】


 減価償却資産の償却に定率法を採用する場合、「定額法の償却率(1/耐用年数)」×2とする改正が実施されます。  平成19年度改正で250%定率法といわれる加速度償却が導入されましたが、200%定率法に代わり、その加速度が緩められます。
〈適用関係〉
  平成24年4月1日以後に取得する減価償却資産に適用されます。個人も同様です。


耐用
年数

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

14

15

200%
償却率

1.000

0.667

0.500

0.400

0.333

0.286

0.250

0.222

0.200

0.182

0.167

0.154

0.143

0.133

250%
償却率

1.000

0.833

0.625

0.500

0.417

0.357

0.313

0.278

0.250

0.227

0.208

0.192

0.179

0.167


【5. 欠損金の繰越控除の見直し】

(1)繰越期間の7年から9年への延長
 青色申告及び欠損金発生年度の帳簿書類の保存を要件として、青色欠損金等の繰越控除期間が7年から9年に延長されます。これに伴い、当初の申告時に翌期欠損金等の額が少なすぎた場合に行う更正の請求期間も9年に延長されます(6頁の図表−4参照)。
〈適用関係〉
 平成20年4月1日以後に終了した事業年度に生じた青色欠損金、青色申告未提出年度の災害損失金に適用されます。
(2)繰越控除の制限
  中小法人等を除く大法人を対象として、青色欠損金等の繰越控除制度における控除限度額を、繰越控除前の所得の金額の80%に制限する改正が実施されます。会社更生等による債務免除を受ける場合には制限はありません。
〈適用関係〉
  平成24年4月1日以後に開始する事業年度の所得に対する法人税から適用されます。
【まとめ】
 大法人については控除限度額が設けられ、課税所得が発生しますが、中小法人等は100%の繰越控除が認められ、課税所得の発生が抑えられます。また、控除期間は9年に延びるので、欠損金の繰戻し還付とともに中小法人等にとってはメリットのみを受ける改正となります。 


【6. 寄付金の損金算入限度額の見直し】

 一般寄付金の損金算入限度額が下表のとおり、縮減されます。ただし、特定公益増進法人に対する寄付金の損金算入限度額の拡充がセットで実施され、一般寄付金の縮減枠に相当する拡充が行われます。
〈適用関係〉
 平成24年4月1日以後に開始する事業年度の所得に対する法人税から適用されます。一般寄付金から特定公益増進法人に対する寄付金へ誘導する改正といえます。

寄付金の損金算入限度額の計算式

 2.税務手続 

【1. 更正の請求期間の延長】

 税額を納めすぎた場合に納税者が税務当局に対して税額の減額を請求する「更正の請求期間」は申告期限から1年以内でしたが、5年以内に期限を延ばす改正が実施されました。  また、税務署が更正処分できる期間が6年の贈与税は更正の請求期間も6年以内、法人税の欠損金が関係する場合は税務署の更正処分の期間が9年となるので、更正の請求期間も9年以内となります。
【まとめ】
 更正の請求期間を更正処分の期間に合わせることで不公平感は解消されますが、一律5年としたため、これまで3年だった所得税等の更正処分の期間も5年に延びる点に注意が必要です。
〈適用関係〉
 平成23年12月2日以後に法定申告期限が到来する国税から適用されます。

更正の請求期間と増額更正機関の新旧比較

【2. 更正の申出書の創設】

 更正の請求期間が1年以内から5年以内に延長する効果が表れ始めるのは1年後の平成24年12月2日からとなります。そこで、納税者からの請求と税務署の処分ができる期間を揃えるという改正の趣旨を早く実現させるため、国税庁は過去の申告分について「更正の申出書」という書類を新設して受け付けることとしました。
【まとめ】
  改正前の申告分に改正法の延長期間は適用できないので、改正前の税務署が更正処分できる期間に合わせて更正の申出書が受け付けられます。したがって、一律申告期限から5年以内ではなく、所得税や相続税等は3年以内、贈与税は6年以内、欠損金が関係する法人税は7年以内となります。

【3. 税務調査の法定化】

 税務調査の事前通知や終了通知、更正処分する際の理由附記が法定化されます。事前通知では1)調査日時2)調査場所3)調査目的4)対象税目5)対象期間6)対象の帳簿書類等が電話連絡されます。
〈適用関係〉
 平成25年1月1日以後に実施される税務調査や更正処分に適用されます。


 3.震災復興特別税 

【1. 復興特別所得税の創設】

 復興特別所得税は、納税者個人のその年分の所得に対する所得税の額を課税標準として、その課税標準所得税額に2.1%の税率を掛けます。
 国内居住者についてはすべての所得を対象としていて、分離課税の利子や配当等はその所得に対して源泉分離課税が行われる仕組みです。例えば、上場株式等の配当は10.147%(7%×1.021+3%)の源泉徴収となります(軽減税率が適用される間)。
 預金の利子にかかる税率は、所得税が15%、住民税が5%、合わせて20%になっていますが、復興特別所得税が導入されると、所得税が「15.315%」、住民税は変わらず5%なので、利息にかかる税率は合わせて「20.315%」になります。
【まとめ】
 源泉徴収義務者は、源泉徴収する際に源泉徴収額と一緒に復興特別所得税を徴収する必要があり、システム改修等の対応が必要となります。
〈適用関係〉
 平成25年から平成49年までの各年分の所得税に適用されます。

復興特別所得税・法人税の期間と税収見積り

【2. 住民税の均等割・退職所得控除の見直し】

 震災復興と併せ、第三次補正予算では地方自治体の緊急防災・減災事業が実施され、その地方負担分は個人住民税を財源とします。
(1)個人住民税の均等割
  個人住民税の均等割について、年間で一律1,000円の上乗せがされます。その内訳は、都道府県民税が500円、市町村民税が500円です。
〈適用関係〉
 平成26年6月から平成35年5月までの10年度分に適用されます。
(2)退職所得の10%税額控除の廃止
 退職所得の住民税は、国税と同様の現年課税が採られ、前年の所得を基準とした住民税の課税方式と異なって1年早く徴収されることから、税額相当分の運用益を控除する趣旨から10%の税額控除が行われています。 ところが、低金利の昨今では優遇する必要がないとの考えから税額控除が廃止され、それによる増収の10年分を補正予算の財源とします。
〈適用関係〉
  平成25年1月1日から適用されます。


 4.平成23年度税制改正(11月改正法)その他項目 

【◇法人税】

貸倒引当金制度の適用法人が、(1)中小法人等(2)銀行や保険会社等(3)売買とされるリース資産の対価の額に係る金銭債権を有する法人等−に限定されます。

平成24年4月1日以後に開始する事業年度から限定され、廃止される法人には段階的に縮小する経過措置があります。

公益法人等又は協同組合等の貸倒引当金の特例における繰入限度額の割増措置について、割増率が16%から12%に引き下げられたうえで適用期限が延長されます。

平成27年3月31日まで適用期限が延長されます。

次の租税特別措置は適用期限の到来時に廃止されます。
1)エネルギー需給構造改革推進設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除
2)事業基盤強化設備等を取得した場合等の特別償却又は税額控除
3)事業革新設備等の特別償却
4)岩石採取場又は露天石灰採掘場に係る特定災害防止準備金
5)商工組合等の留保所得の特別控除

経過措置が講じられた上で平成24年3月31日までの適用期限をもって廃止されます。



【◇新たに更正の請求ができる(申告時の記載誤りの是正)主な措置(注)】

所得税

  1. 給与所得者の特定支出の控除の特例
  2. 資産の譲渡代金が回収不能となった場合等の所得計算の特例
  3. 変動所得及び臨時所得の平均課税
  4. 純損失の繰越控除、雑損失の繰越控除

平成23年12月2日以後に申告期限が到来する分から適用されます。

法人税

  1. 受取配当等の益金不算入
  2. 国等に対する寄附金、指定寄附金及び特定公益増進法人に対する寄附金の損金算入
  3. 所得税額控除、外国税額控除
  4. 会社更生等による債務免除等があった場合の欠損金の損金不算入
  5. 試験研究を行った場合の税額控除(特例)
  6. 中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は税額控除
  7. 雇用者の数が増加した場合の税額控除

相続税

  1. 配偶者に対する相続税額の軽減
  2. 贈与税の配偶者控除
(注)確定申告時の記載要件を除外する措置は全部で21、記載金額要件を除外する措置は全部で13あります。




平成24年度税制改正

【1. 給与所得控除の見直し】

〈給与所得控除の上限設定〉
  その年中の給与等の収入金額が1,500万円を超える場合の給与所得控除額については、245万円の上限を設けます。

【趣旨】
 格差是正、所得再分配機能回復の観点や、給与所得者の必要経費が収入の増加に応じて必ずしも増加するとは考えられないこと等を踏まえ、一定額を上回る給与所得者について、過大となっている控除を適正化。  あわせて、一般の給与所得者が特定支出控除を選択し易くするよう見直し。 

給与所得控除の見直しによる税負担額の増加の状況 (単位:円)

給与収入

給与所得控除

負担増加額

参考

現行

改正後

減少額

所得税・住民税の合計

適用税率

15,000,000

2,450,000

2,450,000

0

0

43%

16,000,000

2,500,000

2,450,000

50,000

21,500

43%

17,000,000

2,550,000

2,450,000

100,000

43,000

43%

18,000,000

2,600,000

2,450,000

150,000

64,500

43%

19,000,000

2,650,000

2,450,000

200,000

86,000

43%

20,000,000

2,700,000

2,450,000

250,000

107,500

43%

21,000,000

2,750,000

2,450,000

300,000

129,000

43%

22,000,000

2,800,000

2,450,000

350,000

150,500

43%

23,000,000

2,850,000

2,450,000

400,000

172,000

43%

24,000,000

2,900,000

2,450,000

450,000

225,000

50%

25,000,000

2,950,000

2,450,000

500,000

250,000

50%


【2. 退職所得課税の見直し】

〈役員退職手当等に係る退職所得の課税方法の見直し〉
  その年中の退職手当等のうち、退職手当等の支払者の役員等(役員等としての勤続年数が5年以下の者に限ります。)が当該退職手当等の支払者から役員等の勤続年数に対応するものとして支払を受けるもの(以下、「役員退職手当等」といいます。)に係る退職所得の課税方法について、退職所得控除額を控除した残額の2分の1とする措置を廃止します。
 (注)「役員等」とは、次に揚げる者をいいます。
1 法人税法第2条第15号に規定する役員
2 国会議員及び地方議会議員
3 国家公務員及び地方公務員

【趣旨】
 退職所得については、長期間にわたる給与が一時期にまとめて後払いされる性格から、累進緩和措置(2分の1課税)が採られているが、法人役員の退職慰労金については、比較的短い在任期間でも一般従業員に比べ高額となっており、また、一般従業員と比べ、役員の退職慰労金は自己決定度合が高いなど一般従業員の退職金とは相当に異なる事情にある。これを踏まえ、法人役員が短期で退職慰労金を受け取る場合、2分の1課税を見直す。


【社会保障・税一体改革による税制抜本改革】

  1月6日に決定した社会保障と税の一体改革素案に基づき、今後、抜本改革大綱がまとめられ、この大綱によって法案が立案される。
 税制抜本改革法案には、1)消費税率の引上げと適正化を行う消費税法の一部を改正する法律案、2)所得税の最高税率45%を設ける所得税法改正案、3)相続税の課税ベース拡大や税率の見直しなど、平成23年度税制改正案から持ち越された改正を行う相続税法改正案と、直系尊属からの贈与税率を緩和する特例を設ける措置法改正案などが盛り込まれる。素案で示された税制抜本改革に係る主な改正事項と適用時期は次のとおり。

消費税率、地方消費税率の引上げ

 5%→ 8%

平成26年4月1日

8%→10%

平成27年10月1日

相続税の基礎控除引下げ、死亡保険金非課税限度額の引下げ、相続税・贈与税の税率構造の見直し、相続時精算課税制度の拡充 など

平成27年1月1日以後の相続・贈与から

課税所得5,000円超の部分に45%税率を設定

平成27年分の所得税から



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